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インボイス 仕入税額の積上げ計算は合算計算不可
インボイス制度導入後の仕入税額の計算方法の一つである「積上げ計算」について、積上げ計算を適用している場合、割戻し計算を併用することができず、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れについても同方法により仕入税額(仕入税額とみなす金額)を計算しなければなりません。この点、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れを区分して管理し、期末に合算して仕入税額を算出できると誤解している向きもあるようなので、留意点を確認してみます。
インボイス制度下における仕入税額の計算方法は、割戻し計算と積上げ計算の2種類があります。売上税額の計算において積上げ計算を適用した場合には、仕入税額の計算上、割戻し計算を適用することができず、積上げ計算を適用しなければなりません。
インボイス積上げ計算 → 交付された適格請求書に記載された消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額の合 計額に100分の78を乗じて仕入税額を算出
帳簿積上げ計算 → 課税仕入れの都度、課税仕入れに係る支払い対価の額に110分の10(又は108分の8)を乗じて算出した金額を仮払消費税額等んどとし帳簿に記載している場合、その金額の合計額に100分の78を乗じて仕入税額を算出
インボイス制度開始6年間の経過措置期間中に適格請求書発行事業者以外の者から課税仕入れを行い、積上げ計算により計算する場合は、「その課税仕入れに係る支払対価の額に7.8/110(又は6.24/108)を乗じて算出した仕入税額に80/100(又は50/100)を乗じて」仕入税額を算出します。
この点、国税庁インボイス(免税事業者からの課税仕入れに係る経過措置を適用する場合の税額計算)では、積上げ計算を適用している場合の具体的な計算方法の説明において「なお、本経過措置の適用を受ける課税仕入れを区分して管理し、課税期間の中途や期末において、当該区分した課税仕入れごとに上記の計算を行うこととしても差し支えありません」としています。
これは処理のタイミングを期末等とすることとしても問題ないことを指します。
あくまでも処理の時期についての弾力的な取扱いであり、経過措置の適用を受ける課税仕入れを区分して管理し、期末等にその課税仕入れの合計額を基礎として80/100を乗じて計算することを認めているわけではない点に注意しなければいけません。