最新情報WHAT'S NEW
インボイス制度 入金不足・過入金がある場合の売手の対応
取引先への請求金額と入金額が異なる事例を踏まえ、入金不足と過入金がある場合のインボイス対応はケースごとに異なります。
・入金不足がある場合
請求金額に対して不足があった場合、対応方法として以下の選択肢があります。
①不足額を請求する。
②不足額を次の請求時に精算する。
③不足額を値引きとして処理する。
①及び②の方法を取る場合、インボイスの金額自体に変更はないため、特段の対応は必要ありません。また、不足分に対して新たに請求書を発行することもありますが、これは既請求分に対する追加請求であり、消費税法上のインボイス記載事項を満たす必要はありません。
他方、③の場合は、消費税法上「対価の返還等(値引き)」を行ったものとして対応することができます。この場合、原則として返還インボイスの交付が必要ですが、金額が税込み1万円未満であれば免除されます。
・過入金がある場合
⑴過入金を返金する。
⑵過入金を次の請求時に精算する。
⑶過入金を受領する。(雑収入として処理する。)
⑴及び⑵の方法を取る場合も、金額の変更はなく、インボイスの修正は不要です。また、⑴の返金額は資産の譲渡等の対価額や売上げに係る対価の返還等の金額ではないため、消費税法上で特に書類の授受は必要ありません。
⑶の場合は過入金が「単なる誤り」であり、対価に該当しない場合は、インボイスの修正は不要です。この場合、過入金分は「不課税」として取り扱われます。