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事業承継税制特例と役員就任要件

令和6年度改正では、法人版事業承継税制の特例措置の適用に当たり必要となる特例承継計画の提出期限が令和8年3月31日まで2年延長されました。

同税制の適用には、後継者が3年以上連続で役員を務める「役員就任要件」を満たす必要があります。

法人版事業承継税制は、後継者である受贈者・相続人が、経営承継円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等で取得した場合に、その非上場株式等に係る贈与税・相続税について一定の要件のもとで納税が猶予され、後継者の死亡等によって猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度です。

特例承継計画を提出する等の一定の条件を満たせば、一般の措置に加えて納税猶予割合を100%とするなどの特例措置もあります。

同税制により、贈与税の納税が猶予・免除されるためには、後継者である受贈者が「贈与の日まで引き続き3年以上」事業承継の対象企業の役員であること等が求められます。

法人版事業承継税制の特例措置に係る適用期限は令和9年12月31日であり、令和6年度与党税制改正大綱では「適用期限については今後とも延長を行わない」としています。

特例措置の適用を検討している場合には早めに後継者を役員に迎え入れる必要があります。

定額減税 個人事業主は7月の減額申請後に控除額追加可能なケースも

 個人事業主の定額減税について、所得税の予定納税から控除される額に同一生計配偶者分と扶養親族分の減税額を追加する場合、減額申請が必要となります。7月の減額申請は、6月30日時点の現況により同一生計配偶者と扶養親族の人数を計算するため、7月1日から10月31日の間に結婚や出生などにより減税額が増加する場合は11月に再度減額申請をすることで予定納税額から定額減税の控除を受けることができます。

 7月の減額申請を行った後、11月にも減額申請を行う場合、その理由が同一生計配偶者等分の減税額を追加したいという定額減税に係るもののみであれば、7月の減額申請と同様に「申告納税見積等の計算書」の1~38までの記載が省略できます。
 この11月の減額申請において、減額申請書の「2 減額申請の具体的理由」欄には、すでに7月の減額申請で追加済みの同一生計配偶者等の氏名棟には記載する必要はなく、11月の減額申請で新たに減税額を追加したい同一生計配偶者等の氏名のみ記載すればよいとなっています。
 ただし、「申告納税見積額等の計算書」の「同一生計配偶者等分(41)」欄には、必ず7月の減額申請で追加済みの方の減税額と追加するこの減税額の合計を記入する必要があり、追加分の減税額のみを記載するのではないという点には注意が必要です。

電子帳簿保存法 電子取引制度等の一問一答を改訂

 国税庁は6月28日、電子帳簿保存法について、一問一答(Q&A)を改訂しました。

 昨年12月以降、複数回更新されてきた「お問い合わせの多いご質問」など6問を追加・更新している。

 電子取引関係で一問一答に追加された問の番号と概要

 ・問2-2 従業員を雇用する際、賃金や労働時間等の労働条件を記載した「労働条件通知書」データを電子メール等で授受した場合は電子取引データとして保存が必要です。

 ・問9-2 インターネットバンキングを利用した振込等も電子取引に該当し、振込等を実施した取引年月日・金額・振込先名等が記載されたデータの保存は金融機関のオンライン上の通帳や入出金明細等(以下「オンラ
イン上の通帳等」といいます。)による保存も可能です。

 

 ・問27-2 電子取引の取引情報に係る電磁的記録を削除せず、電子帳簿保存法の保存要件に沿って保存した上で、当該電磁的記録を書面に出力し、その他の書類と一緒に整理することは、問題ありません。 

 

 ・問40-2 ECサイトで物品を購入したとき、ECサイト上の購入者の購入情報を管理するページ内において、その領収書等データの確認が随時可能な状態である場合には、必ずしもその領収書等データをダウンロードして保存していなくても差し支えありません。

 

 ・問40-3 高速道路のETCの利用証明書の発行を受けた(ダウンロードした)場合には、その利用証明書自体は取引に関して受領した書類に該当することから、これを電子帳簿保存法の要件を満たして保存する必要がある。

 

 ・問69  公益法人等が青色申告法人である場合、収益事業を含む全ての事業の取引に関する電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存する必要があります。他方、青色申告法人以外の公益法人等である場合、収益事業に関する電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存をすれば足りることになります。

 

 

フリマアプリ等の仕入税額控除で弾力的対応

インボイス制度の多く寄せられるご質問が更新されました。

古物商が、フリマアプリ等で商品として古物の仕入れを行った場合、仕入れ先が、インボイス発行事業者以外の者の場合の場合には、一定事項を記載した帳簿のみの保存で仕入税額控除を適用できます(古物商等特例)。対価の総額が1万円以上である際は、古物営業法上「古物台帳」に仕入先の住所や氏名等の記載が必要となります。古物商等特例の適用においても、消費税法上の帳簿に仕入れ先の住所や氏名が記載されていることが必要となるため、仕入先にその確認をとることが必要です。一方、対価の総額が1万円未満である場合は、原則、古物台帳に仕入先の住所や氏名の記載が不要とされています。古物商等特例では、古物台帳に仕入先の住所や氏名の記載が不要とされる場合、消費税法上の帳簿としてもその記載が不要となるため、仕入先が匿名で取引していても同特例が適用できます。

また、古物商以外の事業者が、インボイス発行事業者以外の者から、フリマアプリ等で事業用の事務用品等の仕入れをした場合(古物営業に該当しないもの)、区分記載請求書等に「書類の作成者の氏名又は名称」の記載が、帳簿には「課税仕入の相手方の氏名又は名称」の記載をすれば、仕入税額相当額の80%・50%を控除できる経過措置を適用できますが、仕入先等の氏名・名称として「フリマアプリ等の名称及び仕入れのアカウント名」の記載が認められることとなりました。

詳細は、インボイスの「多く寄せられるご質問」をご覧ください。

 

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