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税制改正大綱

令和7年12月19日、令和8年度与党税制改正大綱がまとまりました。

 

【主な税制改正大綱】

①年収の壁 178万円へ

②防衛増税

③暗号資産

④ふるさと納税

⑤超富裕層への課税

⑥固定資産税の免税点見直し

⑦インボイスの経過措置の見直し

⑧住宅ローン控除の拡充

等です。

詳しくは令和8年度与党税制改正大綱

 

 

 

短期前払費用の仕入税額控除の経過措置 支出日で判断

免税事業者からの仕入れにかかる経過措置の控除割合は、令和8年10月1日に80%から50%に引き下げられますが、短期前払費用については、支出した日の控除割合を短期前払費用として計上する全額に適用できます。

しかし、同一課税期間内に役務の提供が完了する場合や、短期前払費用として取り扱わない場合は役務提供完了日の控除割合を適用することになるので注意しなければなりません。

 

インボイス制度では、免税事業者からの課税仕入れは原則として仕入税額控除の対象外となります。しかし、そのような場合でもインボイス制度の施行から6年間は仕入税額控除相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置が設けられています。

 〇令和5年10月1日~令和8年9月30日まで → 仕入税額相当額の80%

 〇令和8年10月1日~令和11年9月30日まで → 仕入税額相当額の50%

 

 

経過措置の判定について

【例】 課税期間:1月から12月の法人の場合

 

ケース1⃣ 短期前払費用の取り扱いを受けた場合

 ①令和8年4月に、令和9年3月までの保守料を支払った

   →支出した日(令和8年4月)における控除割合〈80%〉を支出した全額に適用可能

 ②令和8年10月に、令和9年9月までの保守料を支払った

   →支出した日(令和8年10月)における控除割合〈50%〉を支出した全額に適用可能

 

ケース2⃣ 短期前払費用の取り扱いを受けない場合

 ①令和8年4月に、令和9年3月までの保守料を支払った

   →課税仕入れ時点の控除割合を適用

    (総支払額のうち 4月~9月分は控除割合〈80%〉 10月~3月分は控除割合〈50%〉の適用)

 

ケース3⃣ 同一課税期間内に役務が完了する場合

 ①令和8年1月に、令和8年12月までの保守料を支払った

  →課税仕入れ時点の控除割合を適用

    (総支払額のうち 1月~9月分は控除割合〈80%〉 10月~12月分は控除割合〈50%〉の適用)

 

 

以上のように、免税事業者等からの仕入れにかかる経過措置の控除割合が80%から50%に引き下げられる際にまたぐ対象取引がある場合には、支出した日や短期前払費用の取り扱いを受けるか否か等の確認をし、適用できる控除割合に注意が必要です。

 

令和7年分の年末調整での注意点

 12月1日から、令和7年度税制改正に伴う源泉所得税関係の見直しを踏まえた令和7年分の年末調整が始まりました。基礎控除の見直しや特定親族特別控除の創設、扶養親族等の所得要件引上げなどにより、昨年に比べて申告書への記載事項等が大きく変わっています。
 基礎控除申告書の控除額の記載ミスに注意が必要です。令和7年度改正では、基礎控除額が48万円から58万円に引き上げられ、さらに合計所得金額655万円以下のものはその金額に応じて控除額を加算する「基礎控除の特例」が創設されました。これに伴い、基礎控除申告書の「控除額の計算」も見直されています。ご自身の合計所得と判定表に基づき、基礎控除額にミスがないよう注意が必要です。
 給与所得控除の最低保証額は55万円から65万円に引き上げられ、従業員等の配偶者の収入が給与所得の場合、配偶者所得控除等申告書に記載する配偶者の合計所得金額について、改正後の給与所得控除額を適用して計算されている必要があります。
 特定親族特別控除申告書についても注意が必要で、従業員等の子等の年齢要件、所得要件を全て満たした状態で記載されており、控除額が正しく計算されているか要確認です。令和7年度に改正され、創設された特定親族特別控除は19歳以上23歳未満で、合計所得金額が58万円超123万円以下の子等である特定親族を有する従業員等が適用を受けることができるものです。控除額については、特定親族の合計所得金額に応じて控除額が逓減する仕組みです。具体的には、特定親族の合計所得金額が58万円超85万円以下の場合は、控除額が63万円、合計所得金額が85万円超となると、控除額が段階的に逓減します。
 従業員等の子等が留学中などで特定親族が国外居住親族に該当する場合は、従業員等から「親族関係書類」と「送金関係書類」の提出又は提示を受けたかどうかの確認も忘れないように注意してください。 

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