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大胆な設備投資促進税制について
令和8年度税制改正で創設される予定の、青色申告法人が経済産業大臣の確認を受けた投資計画に基づき対象設備を取得等し事業供用した場合に、その対象設備について制度の適用が認められる特定生産性向上設備等投資促進税制(大胆な設備投資促進税制)では即時償却または税額控除の適用を受けたい制度を選択し適用を受けることができます。
即時償却では取得価額の全額を初年度に損金算入でき、税額控除では決められた一定の税率で税額控除できますが上限は法人税額の20%と定められているという違いがあります。これらの適用を受けるために行う手続きは同じで、改正産業競争力強化法(案)の施行日から令和11年3月31日までの間に投資計画について経済産業大臣の "確認" を受ける必要があります。また、確認を受けた日から5年以内に取得等及び事業供用した設備が対象となるので注意が必要です。
税額控除を選択した際に、上限の20%を超える控除しきれない超過額があった場合3年間繰越しすることができる繰越税額控除制度を適用することができます。しかしこの制度を適用するには必要な要件が主に2つあります。一つ目は主務大臣から「国際経済事情激変事業適応計画」の "認定" を受けること、二つ目は主務大臣から「国際経済事情激変事業適応を確実に実施していること等」の "証明" を受けることです。また、二つ目については、事業適応計画の実施する事業年度から繰越税額控除制度の適用を受けようとする事業年度まで連続して「国際経済事情激変事業適応を確実に実施していること等」の証明を受ける必要があるため注意が必要です。
即時償却または税額控除の適用には投資計画の確認、繰越税額控除制度の適用には同事業適応計画の認定及び証明と必要な手続きが多くなるため計画的に検討することがポイントとなります。
食事支給の非課税限度額引き上げについて
役員や従業員に会社が支給する食事に係る経済的利益は原則、給与等として所得税の課税対象となりますが、食事の支給には福利厚生的な性格もあるため、「役員または使用人から実際に徴収している対価の額が、食事の価額の50%相当額以上であること」及び「食事の価額から実際に徴収している対価の額を控除した残額が月額3,500円以下であること」の2つの要件が満たす場合は、その経済的利益がないものとして非課税とされます。
所得税基本通達36-38の2の改正により、令和8年4月1日以後に支給する食事について、要件である非課税限度額が「月額3,500円以下」から「月額7,500円以下」に引き上げられる予定です。
会社が深夜勤務に伴う夜食の現物支給にかえて支給する金銭についても非課税限度額が引き上げられる予定です。
現行では、1回の支給額につき「300円以下」ですが、改正後は「650円以下」が非課税限度額となります。改正後の非課税限度額は、令和8年4月1日以後に支給する金銭に適用される見込みです。
令和8年改正 給与と年金のダブル受給者に控除制限
令和8年度税制改正大綱では、給与等と公的年金等の両方を収入として有する者の控除額に上限を設けることが示されました。現行では、給与収入と年金収入がある者は、給与所得控除と公的年金等控除の両方が適用できることにより、給与収入のみの者と比較して税負担が軽くなり得る事象が、税負担の公平性の観点から問題視されていました。
改正後は、給与所得控除額と公的年金等控除額の合計額の上限を280万円となります。令和9年分の所得税から適用される予定です。
令和7年6月に成立・公布した年金制度改革法により、令和8年4月から在職老齢年金制度の基準額が「月65万円(改正前:月51万円)」に引き上げられます。
在職老齢年金制度とは、老齢厚生年金を受給しながら給与収入を得ている場合、給与、賞与等の月額(総報酬月額相当額)と、受給する老齢厚生年金の基本月額の合計額が、基準額を超えると、基準額の超過部分の半分に相当する額の老齢厚生年金が減額(支給停止)とされる制度です。基準額が引き上げられることにより、給与等の収入と公的年金等の収入の両方を得る者の手取り額が増加します。
令和8年度税制改正では、この在職老齢年金制度の基準額の引き上げを踏まえ、給与等の収入のみの者と税負担の公平性の確保に向けた第一歩として、令和9年分の所得税から給与所得控除額と公的年金等控除額の合計に上限額が設けられます。
具体的には、給与所得控除額と公的年金控除額の合計額の上限額を280万円とし、上限額の280万円を超える場合に、超えた部分の金額を「公的年金等の控除額」から減額します。
例えば、給与等の収入が900万円公的年金等の収入が200万円の場合、改正前は給与所得控除額は195万円公的年金等控除額は110万円で合計305万円となりますが、改正後は上限額の280万円となるため、25万円の差額が生じます。
令和8年改正 高所得者特例の対象者、負担額が拡大
令和8年度税制改正では、極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置(以下高所得者特例)の見直しが盛り込まれました。現行制度で約200人と見込まれている対象者が、改正後は約2,000人規模まで増える可能性があるとされています。
高所得者特例は税負担の公平性を確保するために令和5年度税制改正で導入された制度であり、具体的には、個人でその者のその年分の基準所得金額が3億3,000万円を超えるものについては、その超える部分の金額の100分の22.5に相当する金額からその年分の基準所得税額を控除した金額に相当する所得税を課することとされました。基準所得金額は、総所得金額に加え、分離課税の各種所得金額を合計したものです。基準所得税額とは、通常の方法で(確定申告不要制度を適用する所得を除いて)計算した場合の申告書上の所得税の額及び確定申告不要制度を適用した所得に係る源泉徴収税額を合計したもの(復興特別所得税を含みます。)をいいます。
今回の見直しでは、主に次の2点が示されています。




