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財産評価基本通達6項
納税者が非上場株式を相続で取得した際の評価額を巡り国税庁が財産評価基本通達6項を適用して更正処分を行ったことについて争われている訴訟で、令和6年6月28日東京高裁は処分を取り消す判決を下しました。
合理的な理由がないのに特定の財産のみ専門的評価を行うことは平等原則に反するとしています。
今後は評価額と売買金額との差額の乖離だけではなく、租税回避目的があるかどうかに重点が置かれてくるものと思われます。
中小企業経営強化税制の拡充及び延長等について
経済産業省は、令和7年度税制改正要望を発表した。その中で、中小企業経営強化税制の拡充及び延長を求めた。
中小企業経営強化税制は、中小企業の稼ぐ力を向上させる取り組みを促進するため、中小企業等経営強化法による認定を受けた計画に基づく設備投資について、即時償却及び10%の税額控除(資本金3000万円超の場合は7%)のいずれかの適用を認める措置である。成長志向の高い中小企業をさらに後押しし、売上高が100億を超える中小企業(100億企業)の創出を推進するため、上乗せ措置等の創設を検討するとともに、円安・資源高等によるコストプッシュ・インフレ下の中でも、中小企業の果敢な設備投資を促進し、労働生産性の向上を通じて賃金上昇につなげていくために中小企業経営強化税制の適用期限の2年間の延長を求めた。
また、中小企業投資促進税制や中小企業者等の法人税率の特例についてもそれぞれ2年間の延長することを要望した。中小企業投資促進税制は、中小企業における設備投資を後押しするために一定の設備投資を行った場合に、7%の税額控除(税額控除は資本金3000万円以下の中小企業者に限る)または30%の特別償却の適用を認める措置である。人手不足や物価高騰が続く中で中小企業の更なる設備投資を促進するために適用期限の延長を求めている。年間800万円以下の所得金額に対する税率が19%から15%に軽減されている中小企業者等の法人税率についても、中小企業の経営基盤の維持や資金練り負担を緩和するとともに、生産性の向上に向けた取り組みを後押しするため、適用期限の延長を求めている。
滞納の未然防止に関する取組について
国税庁では、適正かつ公平な徴収を実現するため、納税者の方に期限内に納付していただけるよう、以下のような滞納の未然防止策に取り組んでいます。
国税庁ホームページ「納税に関する総合案内」では、納付手続、計画的な納税(資金の積立て)の方法、納付が困難な方への猶予制度のご案内など、納税者の方のニーズに応じて、様々な情報を提供しています。
また、SNSを活用した納期限や振替期日などの周知のほか、地方公共団体、税理士会、関係民間団体、業界団体等の協力を得て、各種広報媒体や説明会等の機会を活用し、期限内納付のための広報・周知を実施しています。
<キャッシュレス納付の推進>
国税庁では、納税者利便の向上と現金管理等に伴う社会全体のコストを縮減する観点から、キャッシュレス納付(振替納税、ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)、インターネットバンキング等による電子納税、クレジットカード納付、スマホアプリ納付)の利用拡大に取り組んでいます。
<「予納ダイレクト」による納税資金の準備の呼び掛け>
国税庁では、スマートフォンなどから簡単な操作で手続が完了する「予納ダイレクト」による納税資金の準備をお勧めしており、税理士会、関係民間団体、業界団体及び各種説明会を通じた広報・周知を行っています。
予納ダイレクトは、①将来に納付することが見込まれる国税を、②e-Taxに登録した預貯金口座からの引き落としにより、指定した期日にあらかじめ納付できる制度で、消費税などの計画的な納税に大変便利です。
詳しくはこちらをご覧ください。
令和6年分の確定申告はスマホとマイナポータル連携でさらに便利に
国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に沿って金額等を入力するだけで、所得税・消費税及び贈与税の申告書や青色申告決算書・収支内訳書等の作成・e-taxによる送信が可能です。また、自動で計算されるので計算誤りがありません。
令和6年分確定申告の確定申告書等作成コーナーは令和7年1月上旬サービス開始予定となっております。
確定申告書等作成コーナーでは、スマホ向けの専門画面を提供しその対象を順次拡大してきました。令和7年1月からは、所得税のすべての画面でスマホ向けの専用画面が提供されることになり、スマホでの申告がますます便利になります。
また、スマートフォンの一部機種ではスマホ用電子証明書に対応します。スマホ用電子証明書を利用することで、マイナンバーカードをスマホで読み取らなくても、申告書の作成・e-tax送信ができるようになります。そのほか、利用者証明用電子証明書のパスワードをスマホの生体認証機能等を利用できるようになります。