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クラウドファンディングによる被災地支援の課税関係
地震や豪雨などが発生した場合の被災地支援の一つに、クラウドファンディングがあります。主な形態として、「購入型」と「寄附型」に分かれており、寄付に対する返礼品の有無が異なります。
購入型の場合、資金提供者(寄附者)の寄附に対し、購入者からモノやサービスの提供が行われるため、その実態は売買取引と同様に取り扱うこととなります。
寄附型の場合、資金提供者は資金調達者に対して寄附を行いますが、資金調達者から対価性のある返礼品はありません。この寄附型のクラウドファンディングで支出した寄附金が控除の対象になるか否かはその寄附の相手方により判断することになります。
例えば、寄付の相手方が、公益社団・財団法人、認定NPO法人、社会福祉協議会などの場合は控除するすることが可能ですが、個人(個人事業主を含む。)、NPO法人、一般社団・財団法人、○○実行委員会などの委員会、運営主体が一般社団法人の美術館などは対象外となるため、注意が必要です。
インボイス制度 入金不足・過入金がある場合の売手の対応
取引先への請求金額と入金額が異なる事例を踏まえ、入金不足と過入金がある場合のインボイス対応はケースごとに異なります。
・入金不足がある場合
請求金額に対して不足があった場合、対応方法として以下の選択肢があります。
①不足額を請求する。
②不足額を次の請求時に精算する。
③不足額を値引きとして処理する。
①及び②の方法を取る場合、インボイスの金額自体に変更はないため、特段の対応は必要ありません。また、不足分に対して新たに請求書を発行することもありますが、これは既請求分に対する追加請求であり、消費税法上のインボイス記載事項を満たす必要はありません。
他方、③の場合は、消費税法上「対価の返還等(値引き)」を行ったものとして対応することができます。この場合、原則として返還インボイスの交付が必要ですが、金額が税込み1万円未満であれば免除されます。
・過入金がある場合
⑴過入金を返金する。
⑵過入金を次の請求時に精算する。
⑶過入金を受領する。(雑収入として処理する。)
⑴及び⑵の方法を取る場合も、金額の変更はなく、インボイスの修正は不要です。また、⑴の返金額は資産の譲渡等の対価額や売上げに係る対価の返還等の金額ではないため、消費税法上で特に書類の授受は必要ありません。
⑶の場合は過入金が「単なる誤り」であり、対価に該当しない場合は、インボイスの修正は不要です。この場合、過入金分は「不課税」として取り扱われます。
中小企業庁 中小企業向け賃上げ税制のガイドブック等を公表
中小企業庁より中小企業向け賃上げ促進税制ご利用ガイドブックと中小企業向け賃上げ促進税制よくあるご質問Q&A集が公表されました。
令和6年度改正では、中小企業向け賃上げ税制について、教育訓練費に係る上乗せ措置の見直しと女性活躍・子育て支援の上乗せ措置の創設が行われたことにより、税額控除率が最大45%になりました。
女性活躍・子育て支援の上乗せ措置は、子育て支援に係る「くるみん認定等」又は女性活躍の推進に係る「えるぼし認定等」を取得した場合に税額控除率の5%上乗せが認められます。これらの認定のうち「くるみん認定、くるみんプラス認定、えるぼし認定(2段階目以上)」は、適用事業年度中の取得が必要です。一方で「プラチナくるみん認定、プラチナくるみんプラス認定、プラチナえるぼし認定」は、適用事業年度終了時に取得していることが必要となるため、過去を含めて事業年度終了時までに認定した認定をもって上乗せ措置の適用を受けることができます。
その他、同税制を適用しても控除しきれない未控除額の5年間の繰越が認められる「繰越税額控除制度」が創設されました。繰越控除制度を適用する場合には、未控除額が発生した事業年度以後の各事業年度の確定申告書に「繰越税額控除限度超過額の明細書」を添付する必要があります。また、未控除額を実際に繰越控除する場合には、繰越控除する事業年度において、雇用者給与等支給額が対前年比で増加していることが要件となります。
詳しい内容については、中小企業向け賃上げ促進税制ご利用ガイドブック 及び 中小企業向け賃上げ促進税制よくあるご質問Q&A集をご覧ください。
新たにインボス発行事業者になる場合の注意点
インボイス制度がスタートして1年が経過しました。
ここで改めて、これからインボイス発行事業者の登録をする場合の、登録申請書の提出期限について確認します。
①新規に設立した法人や新たに事業を開始した事業者の方
事業を開始した課税期間の末日までに登録申請書を提出すれば、課税期間の初日にさかのぼってインボイス発行事業者になることができます。
②免税事業者の方が、インボイス発行事業者になろうとする場合
登録申請書の提出日から15日以後の希望する日(登録希望日)から登録を受けることができます。(令和7年1月1日から登録を受けようとする場合には、令和6年12月17日までに提出する必要があります。)
これからインボイス登録事業者になる方は、登録を受けた日から2年を経過する日の属する課税期間の末日までは免税事業者になることができません。
インボス発行事業者の登録の取り消しを受けたとしても、消費税の申告が必要になる場合があることに注意が必要です。